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「女性は取締役には向かない」──英調査で浮き彫りになった呆れた上役の本音と現場のリアル

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今年2月、英エコノミスト誌の2018年度版「ガラスの天井ランキング」が発表され、主要29カ国の職場における男女平等の様子が今年も明らかになった。学歴、労働市場への参加状況、取締役の割合、議員の割合、給与、育児休暇、教育費など10項目に渡る指標を比較した結果は表の通り。

日本がほぼ最下位なのは、わかりきった感があるが、ヨーロッパの大国イギリスが低めの25位?と驚くかもしれない。イギリスは昨年22位からのランク落ちで、大学で学ぶ女性が減ったことが理由だが、最近、女性取締役の割合についての政府委託の調査結果が出て、男性優位の企業風土が強く漂っていることが改めてはっきりとした。

女性取締役の割合は、目下24.5%

イギリスは、2020年までに、上場企業350社が女性取締役の割合を最低33%にすること(自主的目標)を目指している。委託調査「2017 Hampton-Alexander Review」(英政府サイトより)によると、350社の女性取締役の割合は2017年10月に24.5%で、あと数年で33%に達するには、まだかなりの努力が必要だ。350社は、トップ100社と次位250社を合わせた数で、別々に見ると、トップ100社は27.7%、250社は22.8%だった。取締役が男性のみの企業は、トップ100社ではゼロ、250社では8社にとどまった。企業数で見ると非常に少ないが、女性取締役が1人でもいれば男女混合ということになる。

350社で24.5%という数値は、女性の進出に遅れを取っている日本に比べると随分高い。一方、この数値をヨーロッパの中で見ると、おおよそ平均に達している。ヨーロッパの多くの国では、上場企業の取締役の女性の割合を引き上げ、40%にすることが目標とされている。

欧州ジェンダー平等研究所によると、2017年1月、EU28カ国の上場企業の取締役の平均男女比は男性74.7%、女性25.3%だった。国によるバラつきは大きいものの、30%を超える北欧、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギーにイギリスも追いつきたいのだろう(注意:研究所の本調査では、イギリスの割合は27.2%と24.5%よりも高め)。

【女性疎外、女性の能力を軽視】

◎ 女性は取締役の環境にはぴったり合わないと思う。
◎ 取締役が扱う議題はものすごく複雑で、取締役に見合うだけの確かな実績や深い経験をもつ女性は多くない。
◎ ほとんどの女性は、女性取締役でいるプレッシャーを感じたくないだろう。
◎ うちには女性取締役が1人いるから、もう義務は果たした。今度はほかの企業の番だろう。

【ほかの役員などとの関係にふれて】

◎ 株主が興味ないのに、私たちが女性取締役の投入を考える必要があるだろうか。
◎ ほかの取締役たちが、女性取締役を望んでいないだろう。
◎ いまのところ、取締役に空きがない。あれば考慮するのだが。
◎ 私がそうしたいからというだけで、女性を取締役に就かせることはできない。

【女性社員の不足に言及】

◎ 優れた女性はみんな、もうほかの社で取締役になってしまっている。
◎ 上位の役職の女性の人材が十分でない。

日本の企業からも聞こえてきそうな声だと言ったら、言い過ぎだろうか。7年前の調査では、350社の女性取締役の割合は9.5%だったから全体的には改善はされてきているとはいえ、イギリスでも、一部では女性疎外の風潮はまだ強く残っている。

男女の給与格差も歴然

男性優位の考え方は、給与格差としてもあらわれている。政府平等局は、4月上旬を期限に、250人以上の雇用者を抱える9000社、そして公共団体の合計約1万から男女の給与格差のデータを集めて、実態を公表した(北アイルランドは除く)。データを提出しない場合は、上限のない罰金を科したり罪として扱うという厳しいものだった。

英ガーディアン紙は、「10社に8社のイギリスの企業が、男性により多く給与を支払っている」と題して報じた。調査は時給を比較している。フルタイムの平均格差は14.1%で前年と変化なし、パートタイムを合わせると18.4%だった。また、中央値(最小賃金から最大賃金まで並べて、真ん中に位置する額)の格差を見ると、フルタイムの差は9.1%で前年の9.4%から若干改善し、パートタイムを合わせると17.4%だった。なお、同紙独自の分析では、中央値格差で最も大きかったのは建設業の25%、金融・保険業の22%、教育の20%だった。

この調査には役職の高い人や低所得労働者は含まれていないため、完璧ではない。それでも政府は、業種別の統計を出版して、大きな給与格差の改善に取り組まない企業を浮き彫りにする手立てを考えている。

女性取締役の割合にしろ給与格差にしろ、ガラスの天井に突破口が見つかって最終的に崩れるまでには時間がかかりそうだ。

Newsweek

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