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普通の人の仕事が消滅する… グーグルなど「4強」が世界を支配、私たちの未来は?

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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測書店の紀伊国屋書店大手町ビル店だ。金融関連の本が売れ筋上位にくることの多い同店だが、発売最初の週でランキング上位に食い込んできたのが、テクノロジーの巨人になったグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社がどのように生まれたか、そして4社がつくり変えた世界でどう生きるかを問うた米ビジネススクールの著名教授による一冊だった。

■4社を知ることは、この世界を知ること

 その本はスコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(渡会圭子訳、東洋経済新報社)。GAFAはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字で、文字通りその4社を指す。著者のギャロウェイ氏はニューヨーク大学(NYU)スターン経営大学院でブランド戦略とデジタルマーケティングを教える。ニューヨーク・タイムズ、ゲートウェイ・コンピュータで役員を務めたこともあり、9つの会社を起業したシリアルアントレプレナー(連続起業家)でもある。

4社について知ることは「現代のビジネス、この世界、そして私たち自身について知ることなのだ」と、著者は言う。その視点から4社が強大な力を手にした経緯をたどり、4社が支配する世界で、個人はどう立ち回ることができるかを探る。

タイトルにある四騎士とは、ヨハネ黙示録に出てくる地上の4分の1を支配し、剣、飢饉、悪疫、獣によって「地上の人間を殺す権威」を与えられている存在だ。なんとも物々しいたとえだが、「これらの企業は人類を幸せに導く聖なる四騎士なのか? それともヨハネの黙示録の四騎士なのだろうか?」と著者は問う。

4社は「歴史上かつてないほどの喜びや人間同士のつながり、あるいは経済的な繁栄や発明を私たちにもたらしてきた」とプラスの側面に光を当てる一方、納税逃れを指摘されたり、巨額な利益を上げていながら雇用の拡大には貢献が小さいなどの負の側面を的確に描き出す。

■普通の人の仕事が消滅する世界

 1社ごとに1章を当て、その力を得ていくプロセス、現状の影響度、これから向かうところを詳述する。アマゾンのジェフ・ベゾスについて著者は言う。「不安をかきたてるのは、従業員を酷使するどころか、従業員がいないことなのだ」「少なくとも彼のビジョンには、人間のための仕事はないのだ」

アップルの競争力の源泉をその圧倒的なブランド力とし、そのために築いたアナログの深い堀がアップル・ストアだったことを指摘してみせる。巧みな比喩と具体的な数字やファクトを組み合わせながら4社の知るべき実像を浮かび上がらせる手腕は、起業家としてこれら巨人たちと直面せざるを得なかった著者の、苦い洞察に裏打ちされている。

市場に対する支配力は強く、優秀な人材の吸引力も大きい4強が力を伸ばし続けると、どうなるのか。著者は「この調子だとアメリカは300万人の領主と3億人の農奴の国となる」と警鐘を鳴らす。中産階級が消滅し、優秀な少数者と、それ以外に分断された世界がそこに訪れる。

「先週店頭に並んで、そのままベストセラー上位にまで来た。金融系以外の本では最近珍しい初速のよさ」と、ビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。GAFAの動向は、広くビジネス界全体が気になっているということだろう。

■プレゼンのスキル本が3位に

 それでは、先週のベスト5を見ていこう。

(1)志・挑戦、そして感謝 廣瀬光雄著(財界研究所)
(2)母の教え 5 『財界』編集部著(財界研究所)
(3)博報堂で学んだ負けないプレゼン 須藤亮著(ダイヤモンド社)
(4)the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 スコット・ギャロウェイ著(東洋経済新報社)
(4)SNSを超える「第4の居場所」 岡田尚起、佐藤大輔著(アンノーンブックス)
紀伊国屋書店大手町ビル店、2018年7月22~28日)

1、2位はまとめ買いによるランクイン。元博報堂の歴戦のマーケティングプランナーによる刺さるプレゼンのスキル本が3位に入った。同率の4位に2冊。ひとつが紹介した翻訳書で、もう1冊は、開局3年のインターネットラジオ局のサクセスストーリーだった。
(水柿武志)

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