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ノーベル賞受賞の米2氏が日本に決断促す「次世代加速器ILCの建設実現を」

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東北地方に建設が構想されている次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、ノーベル物理学賞の受賞者である米ハーバード大のシェルドン・グラショー名誉教授と米カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ名誉教授が来日し、「素粒子物理学への貢献のほか、地元への経済効果も大きい。ぜひ実現させてほしい」と日本政府の決断を強く促した。

■ヒッグス粒子の発見で「舞台は整った」

ILCは極微の世界を究明する素粒子物理学の巨大な実験施設で、物理学者の国際組織が岩手・宮城両県にまたがる北上山地に建設する構想を進めている。

素粒子の電子と陽電子をほぼ光速で衝突させ、宇宙が誕生したビッグバン直後の超高温を再現。物質に質量を与えるヒッグス粒子を大量に作り出し、その性質を詳しく調べることで、素粒子物理学の基本法則である「標準理論」を超えた新たな物理法則の発見を目指している。

文部科学省の有識者会議は先月、ILCの科学的意義を認める一方、日米欧が分担する最大約8000億円の総建設費は「国民の理解が重要」とする報告書をまとめ、今月から日本学術会議が建設の是非を審議。これらの結果に基づき、政府が年内にも建設の是非を最終決定する見通しだ。

両氏はこの状況を踏まえ東京都内で7日に記者会見し、ILCを日本に建設する意義について語った。

標準理論を大きく進展させた功績で知られ、1979年にノーベル物理学賞を受賞したグラショー氏は「標準理論の中で特別な役割を果たしているヒッグス粒子が2012年に発見された。これでILCが登場する舞台が整い、今こそ建設するのに最適な時期だ」と指摘した。

その理由については「発見されたヒッグス粒子は本当に正しいものなのか、ヒッグス粒子は一つだけなのか、あるいは何種類かあるのかなど、数多くの課題が出てきた。これらはILCを作ることで初めて確かめられるからだ」と説明。

こうした研究を通して「標準理論が正しいかどうかの確認もできるだろう。あるいは超対称性粒子など新しいものが見つかるかもしれない」と新たな物理学の誕生に期待を寄せ、「ILCは絶対に作らなければいけない。日本学術会議が建設を承認することを願っている。日本政府は勇気と英知をもって建設を実現してほしい」と訴えた。

■「夢と考えていた研究を現実に」

一方、重力波検出への貢献で17年にノーベル物理学賞を受賞し、ILC国際共同設計チームの責任者も務めたバリッシュ氏は「ILCのように直線的に粒子を加速して衝突させる加速器の構想は50年前に遡(さかのぼ)る。高いエネルギーが必要で当時は実現不可能だったが、今は超電導技術などで可能になった」と構想の経緯を説明した。

設計の作業について「世界中から最良の専門家が集まり、議論を交わしながら取り組んだ。設置場所の議論も行われ、日本が最適だという結論になったことから、最終段階では日本に作ることを前提に検討が重ねられた」と明かした。

その上で「ILC実現の必要性はヒッグス粒子の発見でますます強くなった。私たちは今、これまで夢と考えていた研究を現実にしていく段階にある。その意味で、日本にぜひILCを作っていただきたい」と強調した。

■雇用、観光など地元にも大きなメリット

巨額の費用を要するため建設には慎重論もあるが、バリッシュ氏は「施設は長期的に幅広く使われる。成果は1000人規模の研究者が共有することになり、研究者1人当たりのコストは他の大型プロジェクトの半分程度だ」と反論した。

また、建設の実現で日本にもたらされるメリットについては、グラショー氏が「経済が低迷している東北地方に大きな雇用を生み出すことになる。観光名所としての効果もあるだろう。建設を通じて予想もしなかったような技術が生まれ、産業界に波及していくことも考えられる」と話した。

なぜ日本が建設地に適しているのかという問いには、バリッシュ氏が「これまでの大型加速器プロジェクトは欧州が中心だったが、集中は好ましくない。加速器研究について過去の実績と高い技術力がある日本に建設されるのが最適だと考えている」と説明した。

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