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デンマーク発の食リサイクル事業が好調!  廃棄食品を減らす北欧流の新展開とはデンマーク発の食リサイクル事業が好調!  廃棄食品を減らす北欧流の新展開とは

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デンマーク発の食リサイクル事業が好調!  廃棄食品を減らす北欧流の新展開とは

<食材廃棄の減少になんとか貢献したいとの思いでデンマークの若者たちが始めたアプリビジネスが急速に成長。コペンハーゲン市内に今夏アンテナショップをオープンした>

8月8日、北欧デンマークの首都、コペンハーゲンの住宅地の一角に小さな店がオープンした。当日はデンマーク王室のマリー妃が招待され、最初の顧客となったことをデンマークの放送局TV2のニュース番組「ローリー」 が伝えた。

「世界一幸福」なデンマークは不思議の国

とはいっても、店名の「トゥー・グッド・トゥー・ゴー(Too Good To Go)」を聞いてピンとくる視聴者は限られていたかもしれない。国内のレストランやスーパーマーケット、食品店、約5000軒と消費者をアプリで結び、賞味期限ぎりぎりの廃棄食品を安価で提供するパイオニア企業の初の店舗だったからだ。

きっかけは若者5人のアイデアから

「スタートは2016年。友人同士の20代の若者5人が久しぶりに外食した際、閉店間際のレストランで偶然、手つかずの料理が大量に処分されていることを目の当たりにしました。消費税25%のデンマークでは、外食は若い世代には贅沢なことです。ショックを受けた彼らは、廃棄食品をなんとかしたいと思ったのです」と、広報担当のニコリーネ・ラスムセンは話す。

そんな若者たちのアイデアを実現化し、大きくしていったのは、彼らに賛同した女性起業家メッテ・リュッケ、同企業の代表取締役だ。「国連によると、全世界の食糧生産量の40%が廃棄処分されているそうです。その状況をなんとかしたいと、私たちは戦いを挑んでいるのです」と語る。

消費者の意識改革で廃棄食品を25%減少

他の先進国同様、デンマークでも廃棄食品は問題になっている。英BBCによると、2014年のデンマーク政府の調査では、平均的家庭1軒あたりの1年間の廃棄食品は約105キログラム、金額にして3000デンマーククローネ(約5万2000円)で、およそ1カ月の食費に値することがわかった。

デンマーク環境・食品省によると、消費者の意識改革が進んだことと、小売店も小分け商品やサイズを小さくして価格を下げるなどで対応し、廃棄食品量は過去5年間で25%の減少につながったという。トゥー・グッド・トゥー・ゴーも、それに貢献しているといえよう。

「2016年のスタート以来、デンマークに続き、隣国のノルウェー、英国、ベルギーとヨーロッパの8カ国に広がり、アプリのダウンロード数は、100万に届こうとしています。現在までに600万食を廃棄処分にせずにすみました。ヨーロッパだけでなく、世界中に広げていくのが目標です」と広報担当のラスムセン。

ちなみに、「1食分」とは、翌日まで残せない食品をミックスしたセットのこと。たとえば、レストランなら肉料理にサラダ、パン屋ならバゲットにクロワッサン、デニッシュなどが入っている。食べ残しではないから、ドギーバッグではなく、「マジックバッグ」と呼ぶ。食品だけでなく、花屋から余ったブーケセットも提供される。価格は通常価格の50%以下、1キログラムのバッグでおよそ2キログラムのCO2削減につながるという。

 

幅広い層を狙う、アンテナショップの役割

さて、アンテナショップに話を戻そう。入り口横には作業用デスク、カウンターの奥には段ボール箱が積み上げられ、商品が並んだ棚は驚くほど少ない。「ここではスーパーや商店では扱えない、賞味期限間近の製品を置いています」と、スタッフのジェフ。カウンターではスタッフが老齢の女性に、スマートフォンのアプリの使い方をわかりやすい言葉で説明している。

トゥー・グッド・トゥー・ゴーの主な利用者は、アプリでその日の食品をチェックして、閉店間際のレストランやスーパーに引き取りに行ける世代に限られていました。今後は品物にもよっては店で受け渡しをします。そうすれば、幅広い世代に利用していただけると思います」とジェフは話す。

風力発電の供給量が電力全体の43%というエコの国で誕生した食リサイクル企業は、世界中に広がっていくかもしれない。

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