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「超一流」と「一般人」越えられない休み方の差 「有給クイズ騒動」は休み下手の典型例だった

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超一流の休み方から学ぶ、生産性が高い人の休日の過ごし方を解説します(写真:iStock/GeorgeRudy)

8月下旬、飲料の自動販売機事業大手「ジャパンビバレッジ東京」の支店長が『クイズに正解しなければ有給休暇を取らせない』という趣旨のメールを部下に送っていたとして騒動になりました。管理職者にあるまじき行為に批判が集まり、企業体質を問う声も上がりました。

個人的には、いまだに「休まずに働くことを良し」とする文化があるのかと残念でならない出来事ではありましたが、私はこの騒動を機に、あらためて仕事と休み方のバランスを見直してみるべきだと考えます。

筆者は世間一般でいう大富豪、いわば人生の成功者ともいうべき方々の執事をしています。彼らの傍で仕事をさせていただくうちに、成功者と呼ばれるような方々が、仕事よりも休みを重視した生き方をしていることに気づきました。

そもそも休みとは、心身の疲れを取り、コンディションを整え、パフォーマンスを上げる行為です。働く現代人に置き換えれば、休みは、仕事の成果を上げるために日頃の疲れを取り、心身の調子を整え、休み明けにいいスタートダッシュを切るための準備ともいえるでしょう。

ただ、残念なことに、社会にはまだまだ休みを取ろうとせず、無理に頑張ることが美徳とする人がいます。冒頭で紹介した「有給クイズ」騒動もそうした“休み下手”の人が引き起こした典型ともいえるでしょう。

超一流とそれ以外の休み方には違いがある

拙著『超一流、二流、三流の休み方』でも解説をしていますが、筆者は大富豪と呼ばれるような人生の成功者を「超一流」、仕事ができる方を「二流」、ごく一般的な方を「三流」と称して、休み方に違いがあると考えています。

「休んでいるのに疲れが取れない」「気持ちがスッキリしない」という方のために本書の一部をご紹介いたしますので、連休や年末年始の休みの過ごし方の参考にしていただきたいと思います。

まず、休み方の違いとして顕著になるのが「休みの日の前日」です。皆さんも休み前、仕事をどのタイミングで終えて帰宅すればいいか迷ったということはありませんか? 一般的な方の多くは「明日から休みだ」という解放感を前に気分が高揚し、「仕事を放置して帰ります」。ただ、これは残念ながら三流の行為といえるでしょう。

そして、二流は「仕事を終わらせて帰ります」。休み明けにスタートダッシュでつまずくことを嫌うため、終わらせて帰ろうとするのです。ですが、これもベストではありません。仕事を終わらせてから休みに入ると、再びエンジンをかけ直す必要が出てきます。パソコンの電源を切ってしまうと立ち上がりに時間がかかるのと同じで、スタートが大きく出遅れます。

では、超一流はどうするのか? 超一流は「仕事をあえて残して帰る」のです。休み明けに最高のパフォーマンスを発揮するために、あえて休日用の仕事を残すことで、頭を完全オフにしないまま、再び仕事に戻れるようにするのです。

このように説明すると、「休日にわざわざ仕事をするのは休日出勤と同じでは?」という声が聞こえてきそうですが、超一流が取り組むのは“普段と違う仕事”です。

「思案する仕事」は休日に向いている

仕事には、「こなす仕事」と「思案する仕事」の2つがあります。

「こなす仕事」とは、期限内に確実にアウトプットしなければいけない仕事です。リポートの作成、顧客訪問など、日常的に取り組む仕事の9割は「こなす仕事」です。

一方で、「思案する仕事」は時間に関係なく徹底的に考え抜かなくてはいけない仕事です。事業の進退、人事異動など、緊急度は高くないけれど、今後の命運を左右する重要な課題を指します。

そして実はこうした課題は、休日に考えたほうが、普段と違う視点で物事を見つめられる分、休日向きの仕事といえるのです。

休日を「思案する仕事」に充てることで、重要な課題を後回しにせず、着実に進められます。頭のなかをオフにしないことで、休みを効果的に使うことができるのです。

欧米では誰もが当たり前に長期休暇を取ります。

フランスの8月はバカンスシーズンで、4~5週間にわたり、皆が思い思いの休暇を楽しみます。一方で、日本人はまじめで勤勉です。祝祭日の日数でいうと、フランスより日本のほうがずっと多いのに、働き過ぎが問題になるくらいです。

「有給クイズ」のように「休まずに働くことを良し」とする上司や職場の雰囲気もあるため、会社勤めの人であれば、自分都合で休みを取ることも難しいでしょう。とはいえ、自分自身で休むときの最適な判断基準を持っていれば、いざというときに休暇を自分でコントロールすることができます。休暇を前向きに取るためにも、休暇を取るうえでの判断基準を覚えておくといいでしょう。

たとえば、一般的な方がやりがちなのが、「カレンダーどおりに休む」ことです。ただし、これでは仕事が忙しいと休日返上で働かなければなりません。せっかく休暇を取ったのに、思うように休めなければ、自分自身の負担も増えてしまい、その休み方は三流と言わざるをえないでしょう。

なかには「仕事の進捗に合わせて休む」という方もいます。「このプロジェクトが7月末に終わるから、夏休みは8月第1週に取ろう」という予定の立て方です。

ですが、仕事ができる人ほど、新しい業務を任されて忙しいため、どうしても「仕事が優先、休暇は後回し」になってしまいます。仕事優先でいるかぎり、心身に疲れがたまり、パフォーマンスが落ちていきます。これは休みとしては二流です。

超一流は「自分が休みたい日に休む」

その点、超一流は休暇を優先します。

「自分が休みたい日に休む」のです。

思うように休みが取れない会社員の方からすれば「非現実的だ」と思うかもしれませんが、たとえば、いまのうちから、来年の夏休み、あるいは年末年始の休みを確定させてスケジュールに組み込んでおけば、休暇を前提に仕事の予定を組むので、仕事に振り回されることがなくなります。

表立って「休む」と公表しにくい方は、会社の共有スケジューラーなどの書き込みを工夫するのも手です。

「旅行」を「出張」と記入する、「休日」を「準備」などと記入することで、余計な詮索をされにくくすることもできるでしょう。

「休暇=仕事から逃れる機会」ではなく「休暇=最高のパフォーマンスを発揮する充電期間」と考えることで、休みへの意識も変わるはずです。

アスリートが「休むのも仕事」と考えるように、心身のコンディショニングの一環として、仕事も休みも主体的にコントロールしていくことが、これからの時代、大切になってくるといえるでしょう。

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